睡眠時無呼吸症候群SLEEP APNEA SYNDROME

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome)は、睡眠中に呼吸が断続的に止まる病気で、主に「閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)」と「中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSA)」の2種類に分類されます。特に多いOSAは、肥満や扁桃肥大、舌の肥大、あごの形状などが原因で、睡眠中に気道が塞がれることで呼吸が止まる状態です。いびきや無呼吸は本人よりも周囲の人が気づくことが多く、本人は日中の強い眠気、集中力の低下、起床時の頭痛、熟睡感の欠如などの症状に悩まされます。
診断には「簡易睡眠検査」や「終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)」が行われ、1時間あたりの無呼吸・低呼吸の回数(AHI)で重症度を評価します。治療法としては、もっとも一般的で有効な方法が「CPAP療法(持続陽圧呼吸療法)」で、就寝時に鼻にマスクを装着し、空気を送り込むことで気道を開いた状態に保ちます。
歯科医院で対応可能な治療として、軽度〜中等度には、下あごを前に出すように設計されたマウスピースも効果があります。
また、減量や禁酒、横向きでの睡眠など生活習慣の改善も重要です。
睡眠時無呼吸症候群は、放置すると高血圧、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病の悪化など深刻な健康被害を引き起こすリスクが高まります。ですので、早期に専門医を受診し、適切な治療を受けることが大切です。

当院での睡眠時無呼吸症候群の治療

  • 対 象:
    軽症~中等症の閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)患者で、CPAPに適応しない方や、違和感などで装着が困難な方
  • 対 応:
    マウスピースを用いて下あごを前に出すように固定することで、舌の沈下や気道の閉塞を防ぎます。
  • 利 点:
    持ち運びが簡単で、人によってはCPAPより装着感が楽な方もおられます。
  • 注意点:
    歯や顎に問題がある人は使用できないこともあります。
    また、CPAPに比べて効果は限定的です。CPAPでは低呼吸無呼吸指数(AHI)が90%程度改善されますが、マウスピースだと半分程度の改善だと言われています。

睡眠時無呼吸用の治療に用いるマウスピースは、保険適応の上下顎一体型と、自由診療の上下顎分離型がありますが、それぞれ長所短所がございます。当院ではどちらも対応していますので、お気軽にご相談ください。