歯軋り(はぎしり)TEETH GRINDING
朝起きた時、顎が重い、歯が痛い、すごく疲れた感じがする・・・。歯が欠けたり割れたことがある・・・。こんなことはありませんか。それは歯軋り(はぎしり)が原因かもしれません。
歯軋りの原因は1つではありませんが、代表的なものにはストレス、そして飲酒や喫煙などが知られています。
最近ではスマホの中心の生活の影響や、コロナ禍で生活に不安やストレスを感じている人も多く、歯軋りに端を発した歯やお口の病気で悩んでいる方も増えています。しかし、ストレス発散のために飲酒や喫煙が増えては健康に良くないので、お酒の量は減らし禁煙を心がけ、スポーツやストレッチなどの適度な運動、大好きな趣味の時間作りなど、ストレスをなるべく感じないように過ごすことが大切です。
また、高さの合っていないつめものや、かぶせもののせいで、噛み合わせのバランスが変化していて、無意識にその部分を改善しようとして歯軋りを行う場合もあります。
いずれにしてもこの多忙な現代、歯軋りの原因は様々なところに潜んでいます。ご自身や大切な人の歯軋りに気がついたら、いつでもお気軽にわたしたちにご相談ください。
歯軋りの影響とその治療
歯軋りはこんなことに影響します。
噛むときの痛み
歯軋りによって歯の周囲の「歯根膜」が炎症を起こし、噛む動作中や食いしばる際、痛みを伴う場合があります。長時間続く歯軋りは、歯や歯茎に継続的にダメージを与えます。噛む時に歯や歯の周りが痛むけど場所の特定しづらい、また、痛みい場所がコロコロ変わるなどの場合は、歯軋りによる痛みが疑われます。
歯自体への影響
歯軋りにより歯が擦り減ります。特に「犬歯」が平坦になってしまうと、元に戻すことが困難なので注意が必要です。
また、歯や歯茎に大きな力がかかることで歯がしみる事があります。歯軋りにより歯の根元や咬合面が削れたり、亀裂が入ることで、知覚過敏が起こりやすくなります。歯の亀裂から細菌が入り、神経に感染してしまうと神経が壊死する場合もあります。
さらに、歯に大きな力がかかることで歯が割れるあるいは歯が欠けることもあります。ひどい場合は抜歯をする必要があるので、これらにも注意が必要です。
つめものや、かぶせものへの影響
歯軋りによって歯に強い力が加わることで、セラミックの詰め物やかぶせものが割れる事があります。
固くて丈夫なセラミックの場合はかえって咬合面が欠けてしまうこともあります。
歯ぐきへの影響
歯軋りによって歯を支えている骨に負担がかかり、歯茎が痩せてしまいます。とくに歯周病や歯茎が腫れている方は、早く歯茎が痩せていくリスクがあります。
顎(あご)への影響
歯軋りが原因で、顎関節症になる事があります。
歯軋りで顎に力が加わると、顎の関節にある関節円板がずれたり、変形、穴が開くなどの「顎関節症」を引き起こすことがあります。
肩こり/片頭痛
側頭筋などの顎周辺の筋肉は首や肩にかけつながっており、歯軋りによって筋肉が緊張したり疲労するため、肩こりが起こります。
さらに、筋肉が緊張することにより側頭筋が頭を締め付けることで偏頭痛が起こりやすくなります。
骨隆起(こぶ)
顎の骨に歪みを伴う強い力が加わる事で、特にその力が集中する部分に「骨隆起」という骨のこぶができる事があります。
骨隆起は、下顎の内側(舌側)や上顎の口蓋(天井)に多く見られ、下顎の内側では、小臼歯の裏側などに丸くボコボコとした隆起が認められます。上顎にあれば口蓋隆起、下顎にあれば下顎隆起と呼ばれます。
骨隆起が食事中の咀嚼や入れ歯に影響を与える場合は、こぶの除去が必要になる場合があります。
ご自身でできる歯軋り対策
- 適度な運動:
ジョギング、ウォーキングをはじめ、ヨガ、ストレッチなどの軽い運動を習慣化することで、ストレス・ホルモンの分泌が抑えられ、リラックス効果が得られます。 - リラクゼーション:
アロマやマッサージなど、リラクゼーション久賀が期待できることはストレスの軽減に役立ちますので、積極的に取り入れましょう。また、音楽鑑賞、読書、絵画や書道などの趣味も、心を落ち着かせてくれ、ストレス軽減が期待できそうです。 - 深呼吸:
心が緊張していると感じたら、いつでも深呼吸を行いましょう。ゆっくりと深呼吸を繰り返すことで心拍数や血圧を下げ、緊張感をほぐしながらリラックス効果を得ることは、質の高い睡眠のためにも重要です。
これらは一例にすぎません。何よりストレスを溜めないこと。これにつきます。
でも、どうしてもご自身で改善できない場合は、ぜひ当院に一度ご相談ください。