ボトックスBOTOX

ボトックスとは

ボトックス注射:イメージ

ボトックスとは、「ボツリヌストキシン」という神経毒素を有効成分とする医薬品で、筋肉の動きを一時的に抑える作用があります。これは、神経から筋肉への信号伝達をブロックすることで、筋肉の収縮を弱める仕組みです。
もともとは眼科や神経内科でけいれん治療に用いられていましたが、現在では美容や歯科などさまざまな分野で応用されています。

手術ではないので、低侵襲でダウンタイムもありません。施術時間が10~15分程度と短く、通院も少なくて済むのは利便性が高いところです。また、効果が比較的早く出る(数日〜1週間程度)のもメリットの一つです。

歯科領域でのボトックス治療

筋肉の緊張を緩める特性を活かし、以下の目的で使用されています。

  • 歯軋り/食い縛り(ブラキシズム):
    咬筋(あごの筋肉)にボトックスを注射し、過剰な筋活動を抑制します。歯のすり減り、詰め物・被せ物の破損、顎関節の痛みなどを予防し、夜間の食いしばりが強い人にも有効です。効果は約3〜6か月程度持続します。
  • 顎関節症:
    咬筋・側頭筋などの緊張を緩和することで、顎の痛みや開口障害を改善します。

ボトックスの注意点

  • 効果や持続期間には個人差があり、副作用として注射部位の腫れや違和感が生じることもあります。
  • 効果は一時的(3〜6か月)ですので、継続するには定期的な注射が必要となります。
  • 過剰投与による表情の不自然さや一時的な筋力低下に注意が必要です。
  • 妊娠・授乳中は使用できません。